新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗体検査

2020年の開幕前に某プロ野球チームの選手が抗体検査で陽性になったことが話題になりました。
当院では、SD BIOSENSOR社のstandard Q covid19 IgM/IgG DUO Testキット(販売:ニチレイバイオサイエンス)を使用しております。このキットは藤田衛生大学や慶応義塾大学で、術前患者様のスクリーニングや研究調査等に使用されています。
この検査のPCR検査と照らし合わせた感度は95.7%、特異は96.7%で、精度が非常に高い検査です。

※ 当院で行った抗体検査の結果は、個人が特定できない状態に編集したうえで、疫学調査や学会発表に使用させていただくことがあります。予め了承くださいませ。

検査方法: 血液を採取し、検査キットに添加して検査を行います。検査時間は約15分です。
検査対象: 希望者 (検査の性質をご理解いただいたうえで、検査に同意し、希望された方)     
費用  : 6,000円(税込み:この検査は自由診療で行われるため、医療保険適応外です)
          (団体割引:3人以上のグループで検査を受けられる場合は各自5,000円に割引)
予約  : 予約はウェブ診療予約、もしくはお電話にて承ります。
      検査キットに余裕があれば、予約なしでの当日検査も可能です。

【新型コロナウィルスの抗体検査とPCR検査について】
抗体とは、微生物などの異物に対する免疫反応によって体内で作られる物質で、IgG、IgM、IgA、IgD、IgEの5種類があります。
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の抗体検査は血液を採取し、その中のIgGとIgMを調べます。
下の図は、新型コロナウイルスの発症からの日数とそれぞれの検査の検出率の推移をグラフに表したものです。
発症から3週間はPCR検査が陽性になりやすく、発症から3週間目以降(15日以降)は抗体(IgM、IgG)が
陽性になりやすいことを表しています。
つまり、新型コロナウイルス感染症の診断には、発症してから3週間はPCR検査が向いており、3週間目以降(15日以降)は抗体検査が適していると言えます。(※2週目までは抗体検査の精度は低いので注意が必要です)

例えば、1カ月ほど前に風邪っぽい症状があって、現在は全く症状がないけれど、それが新型コロナウイルス感染症によるものだったか知りたい場合や、これまで気になる症状はなかったけれど、どこかで新型コロナウイルスにかかっていたかどうか知りたい場合にも抗体検査は有用です。


発症からの日数とPCR検査、抗体検査、ウイルス分離の陽性率(https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2765837より)