アレルギー科

花粉症を始め、気管支喘息や食物アレルギー等に対しての治療を行っています。就学前のアレルゲン検査などが実施も可能です。
また、ダニアレルギーやスギ花粉のアレルゲン免疫療法(減感作療法)も行っています。免疫療法につきましては、十分に内容を説明させていただいたうえでの実施となります。
そのほか、花粉症やアレルギー対策にヒスタグロビン注射やステロイド注射も行っております。
関心や希望がある方は、まずはご相談くださいませ。

ヒスタグロビン注射

ヒスタグロビンは、体内でアレルギー反応をおこす「ヒスタミン」に対する抗体です。
ヒスタミンを抑え込む作用があり、アレルギー反応でヒスタミンが生じてもそれに伴う症状を抑える事が出来ます。
また、ステロイド注射とは違い副作用が極めて少ないことが特徴です。
花粉症や各種アレルギー、アトピー性皮膚炎、慢性蕁麻疹等でステロイドの使用を控えたい方の優良な選択肢となります。

くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、皮膚のかゆみ、蕁麻疹など、体がアレルギー反応を起こしているときは、体内でヒスタミンという物質が生じ、各種の症状を起こしています。
ヒスタグロビンを定期的に注射することで、ヒスタミンの抗体を体の中につくり、アレルギー反応でヒスタミンが生じた際にも、それに対して抗体が働き、各種の症状を抑えることができます。
慢性的な花粉症、各種アレルギー、アトピー性皮膚炎、慢性蕁麻疹等でお悩みの方、ステロイド治療以外に治療法を探している方へ薦められる治療法です。
(効果には個人差があります)

ヒスタグロビンはノイロトロピン注射と一緒に投与すると相乗効果でさらに有効性が高まります。
注射の回数は、大人は週2回の注射を5週間施行し、これを1クールとします。
小児は週1回に注射を10週間施行し、これを1クールとしています。
症状や効果に個人差がありますので、症状や効果を見ながら適宜何クールか追加を行うことがあります。

減感作療法

注射による減感作療法とは、アレルギーの原因物質を含んだ医療用の注射液をアレルギー反応が生じないかを見ながら、安全な低濃度から徐々に量を増やして注射し、体質改善する方法です。週1回の注射を4~6ヶ月程度続け、最大投与濃度まで上げて行き、最大濃度に達したら、1ヶ月に1回の投与を行い、これを3年以上継続する方法です。
治療期間が重要で、3年以上続けることで、十分な効果が得られるようになります。
デメリットとしては、治療途中にアナフィラキシ―を生じる危険性があり、注射による痛みともに、通院による患者の負担が大きいという点があります。

舌下薬による減感作療法(舌下免疫療法)は、アレルギーの原因物質を含んだ医療用の舌下薬(錠剤もしくは液剤)を使用する治療法です。舌下に治療薬を投与して1~2分間待った後に飲み込みます。1回目の舌下投与はアレルギー反応の評価やアナフィラキシーの有無の評価の為が必要な為、医療機関で行いますが、通常それ以降は毎日自宅で行なえます。注射による減感作療法に比べ、注射による痛みがなく、通院回数が少なくて済むメリットがあります。
舌下免疫療法では、初年度より2年目、2年目より3年目以降で効果が高くなるので、3~5年間続けることが望ましいと考えられています。完全に治る(根治)率は10~20%程度で、とても改善が20~30%、改善が20~30%となり、70~80%の患者さんで有効となります。従来の注射法より、治療成績がより勝るという報告はありませんが、同等に効いたという報告があります。しかし、今までの注射の方法と比較し、重い副反応が少なく安全と考えられています。
スギ花粉症に対する舌下免疫療法は、既存の抗ヒスタミン薬のように、くしゃみ・鼻水・鼻つまりなどの花粉症症状自体を抑えるものではなく、あらかじめ、花粉飛散前に治療を開始し、症状を出にくくするものです。従って、治療の開始は花粉症の症状が出てからでなく、数ヶ月以上前から行う予防的なものとなります。スギ花粉の本格飛散が始まる3ヶ月以上前から治療を開始すると効果的なので、6月から11月に治療を開始するのが望ましと考えられます。
毎年、花粉症に時期に症状がひどく、たくさんの薬を服用しなければならなく、それでも症状に悩まされている方、受験や就職などの大切な時期にスギ花粉症で悩まされて困っている方、今後の長い人生でこれからもずっと毎年スギ花粉症で悩まされることが憂鬱・不安な方などは、この方法が適していると考えられます。